今朝の最も美しい瞬間

 信号待ち中のタクシーの窓から見えた風景にふと視線がとまる

店舗のガラス張りのドアの向こうに幼稚園ぐらいの女の子が見えた。

肩より長いふわふわの髪の毛を揺らしながら、千枚通しと粘度で遊んでいる姿が目に映る。

この美容室のオーナーさんのお子さんだろうか。

奥からセミロング位の長さのマスクをした女性がでてくる。
彼女はふわふわの髪の毛を揺らしている女の子の髪の毛を、穏やかな手でまとめていた。

店内の柔らかな間接照明、表の看板にはご高齢や体が不自由な方もご遠慮なくどうぞ。福祉美容師資格有。と書かれている。

その言葉と店内の彼女の穏やかな手つきと、それを気にすることなく粘度遊びを続けている姿が何とも美しく、寒い中暖かい美味しいお茶を飲み体の内から暖かくなるようなぬくもりを感じた。